ようやく厳しい寒さも和らいだかに思えましたが、
三寒四温の日々、つい最近はまた雪が降りました。
僕は冬物と春物を交互に脱いだり着たりしながら、
暖かくなるのを待ち焦がれています。
おかげさまで執刀医・リハビリ担当の先生からも「投げてよし」のGOサインが出て、
最初は恐る恐る、そして今はかなり快適に、ボールを投げられるようになりました。
痛くないのです。つらくないのです。こんなに嬉しいことがあるでしょうか。
キャッチボールの相手はもっぱら、息子の寛(かん)や、寛の友達です。
ぴしり、ぴしり、と小気味いい音を立てるグラブ。
今はただ、その音を楽しみながら、感謝の気持ちでリハビリを続けています。
僕がリハビリをしているのは地元の西宮です。
家からかなりの広範囲を走り回っているので、しょっちゅうヨメの携帯に
目撃情報のメールが入るとか。
「さっき、県道ですれ違ったよ」
「1時間前に駅の辺りで見ました」
中には「散歩してたら山道の途中で出た」というのもあって、
俺は怪奇現象か。
地元にべったりいるので、身体の治療も近所で行います。
今朝は友人がマッサージをしてくれたのですが、その治療院には
おばちゃんがあふれていました。
「田口君、いや、なつかしーわー。阪神にいてはった時は、よう甲子園に見に行ったわー」
「いや僕阪神ちゃいますよ」
「やっぱり阪神の選手は靴も黄色と黒なんやねー」
「これ、普通のミズノの運動靴」
こんな会話をあちこちで交わしていると、じんわり、あったかーい気持ちになってきます。
「ほら、襟が中に入ってる。なおしたげよ」
おばちゃんというより、もうお母さんやね。
この町には、お母さんがいっぱい。
友人一家にいただいた風船の「花かご」。 もう春はすぐそこ、という色合いに励まされます。 |