2012年1月19日木曜日

そのうちこぼれ落ちるかも

皆さんお元気ですか?
おととい、日本に戻りました。
帰りの飛行機の席は中国人大家族の真っ只中。
かわいい赤ちゃんがむずがる度に、順番にあやしながら横に回していたので、
もしかしたら俺にも来るんちゃうかと心の準備をしていたのですが、
回ってきたのは食事済みのトレイだけでした。

肩の状態は、すこぶる順調です。
今は走り込みを中心に、以前当たり前にできていた動きを、
これからも当たり前にできるようにリハビリをしています。
何かがちょっとずつできるようになっていくことが、
嬉しくてたまりません。
赤ん坊が毎日変化するように、僕もじわじわ進化しています。

ところで、昨夜、糸井重里さんの事務所にお邪魔してきました。
あまりの楽しさに、ついつい本音がダダ漏れしてしまう怖い場所です。
その様子は糸井さんの「ほぼ日」にお任せして、
僕は糸井さんのツイッター本から、つぶやきのひとつを
書かせてもらいましょう。


お若い方々よ。
打席に立ったとき、
三振するのも情けないゴロを打ってアウトになるのも、かまわない。
見逃し三振さえも許してしまおう。
いけないのは、ただひとつ
「打席に立っていることがよろこべないこと」だ。
その打席に立ちたくて目を輝かせたのではなかったのか。
                          
                                (「羊どろぼう。」より)


はい。
お若くはありませんが、
再び打席に立つために、いつもより大きめに目を見開いております。

肩にパワーを入れていただく。ついでに糸井さんの感性も入ってこんかなあ。




2012年1月7日土曜日

何を勉強しに行ったんや・・・


3日間の予定で、アリゾナ・ダイヤモンドバックス主催の
少年野球教室が開催され、不肖の息子が参加しました。
日本で地元小学校の野球部に所属する寛にとって、
アメリカの野球少年たちと交流するのは初めてのこと。
僕自身にとっても、海外で少年野球の指導現場に立ち会うのは
新鮮かつ大変勉強になる経験で、バックネット裏からじっくり見学させてもらいました。

子供に野球を教える時に僕がいつも心がけているのは、
「子供には物を考えさせない」ということ。
なるべく何も考えさせず、本能で、リラックスした状態で動かしてあげれば、
その子の持つ一番いい力が出やすい、という思いからです。

「こうしてみたら」「ああしてみたら」と指示した途端、子供は頭の中で
考え込んで、ロボットのようにぎくしゃく動き始め、もともと自分がどう動いていたかを
忘れてしまいます。緊張していると、行進しながら同じ側の手脚が
同時に出てしまうような、あんな感じ。

もとプロのコーチたちが教えるアメリカ野球は遊び心にあふれ、
寛がこの経験から何を得てくれるのかと、とても楽しみになって、
初日は終了しました。

そして2日目の朝。
バットケースに開いていた穴に興味を持った寛は、
何気なく右の人差し指を入れてしまい、しかも抜けなくなり、
それを無理に引き抜いた結果、第二関節のまわり全体が、
深くえぐり取れてしまいました。
出血も腫れもかなりひどかったため、そのまま救急へ。
利き手ではなく、骨にも異常なかったものの、
その日の練習参加は不可能となり、当面のプールすら禁止となってしまいました。

子供は、紐が垂れていれば引っ張り、
ボタンがあれば押してみて、
ハトが群れていれば、追い散らす。
そして、穴が開いていたら、指を入れてみる。

僕が「子供は考えないのが一番」などと言った矢先に、
「何かする前にまず考える」のが、
皮肉なことに、寛が今回の野球キャンプで得た、
一番の教訓となってしまいました。 

グローブはできないけれど、バットは握れる!と右手人差し指をぐるぐる巻きに固定して、
最終日の練習には無理矢理参加。


2012年1月4日水曜日

スパルタなんです

 
 
年末年始、いかがお過ごしですか?
僕は年明けすぐに、氷点下のセントルイスを離れ、
暖かいアリゾナに移動してきました。
十年来お世話になっているトレーニング施設で、リハビリ続行中です。
 
これまでは「どうなってしまうんやろう」という不安との戦いだった肩の状態も、
このところ「なんだかいい感じやなー」に変わって来ました。
すると人間欲が出るもので、
「いつから投げられるんやろう」
「そろそろ違うことをしてみようか」と、
焦りとはまた違う、先走る気持がわいてくるのです。
 
これもまた、リハビリのもうひとつの戦い。
じっくり、ゆっくり、丁寧に行かなければ、
これまでの我慢が無になってしまいます。
 
夜明けとともに起き出して、暗いうちから動いているので、
トレーナーさんとのリハビリは、だいたい午前中で終了します。
だから午後はプールを利用して、寛と遊びながら、筋肉をゆったり動かすトレーニング。
 
カナヅチの僕は、学校の水泳の時間が苦痛でした。
でも、ただゆらゆらのんびり入っていればいいというのであれば、水の中は嫌いじゃありません。
しかし、体力と時間の余り余った8歳児にとって、このプールは遊びではなく、
本気なのです。
 
「パパっ!あっちまで競争!」
「パパっ!もっと脚動かして!」
「勘弁してくれえっ!」
 
ちらっと30分くらい入るつもりが、3時間ぶっ通しの動きっぱなしってどないやねん?
このままでは、投げられるようになる前に、泳げるようになってしまう・・・。
 

疲労の色濃い僕。まだまだこれからの寛。