3日間の予定で、アリゾナ・ダイヤモンドバックス主催の
少年野球教室が開催され、不肖の息子が参加しました。
日本で地元小学校の野球部に所属する寛にとって、
アメリカの野球少年たちと交流するのは初めてのこと。
僕自身にとっても、海外で少年野球の指導現場に立ち会うのは
新鮮かつ大変勉強になる経験で、バックネット裏からじっくり見学させてもらいました。
子供に野球を教える時に僕がいつも心がけているのは、
「子供には物を考えさせない」ということ。
なるべく何も考えさせず、本能で、リラックスした状態で動かしてあげれば、
その子の持つ一番いい力が出やすい、という思いからです。
「こうしてみたら」「ああしてみたら」と指示した途端、子供は頭の中で
考え込んで、ロボットのようにぎくしゃく動き始め、もともと自分がどう動いていたかを
忘れてしまいます。緊張していると、行進しながら同じ側の手脚が
同時に出てしまうような、あんな感じ。
もとプロのコーチたちが教えるアメリカ野球は遊び心にあふれ、
寛がこの経験から何を得てくれるのかと、とても楽しみになって、
初日は終了しました。
そして2日目の朝。
バットケースに開いていた穴に興味を持った寛は、
何気なく右の人差し指を入れてしまい、しかも抜けなくなり、
それを無理に引き抜いた結果、第二関節のまわり全体が、
深くえぐり取れてしまいました。
出血も腫れもかなりひどかったため、そのまま救急へ。
利き手ではなく、骨にも異常なかったものの、
その日の練習参加は不可能となり、当面のプールすら禁止となってしまいました。
子供は、紐が垂れていれば引っ張り、
ボタンがあれば押してみて、
ハトが群れていれば、追い散らす。
そして、穴が開いていたら、指を入れてみる。
僕が「子供は考えないのが一番」などと言った矢先に、
「何かする前にまず考える」のが、
皮肉なことに、寛が今回の野球キャンプで得た、
一番の教訓となってしまいました。
グローブはできないけれど、バットは握れる!と右手人差し指をぐるぐる巻きに固定して、 最終日の練習には無理矢理参加。 |