2011年6月18日土曜日

かつての僕へ

和やかなムードあふれる、移動中のバス。
T(岡田選手)の「くしゃ顔ブイ!」も、キンコ(金子投手)のキラースマイルも、
試合のない練習日ならではのリラックスモードです。
















僕の隣では、ビッキー(大引選手)がアイパッドで、「ワンピース」に夢中です。
もはや「おたく」領域に棲む彼は、
「絶対はまりますから読んでください!」と布教に必死。
我が家では、ヨメと寛がワンピース・ファンですが、
僕はあまりの登場人物の多さに、どうやってもついていけません。
もともと、「何かにハマる」ということのない性格なだけに、
ワンピース・ブームも、どこか他人事です。

一方で、「ハマる」ビッキーは、何度も何度も、同じところを
読んでは感動しています。まるで教科書を読むように、
大変几帳面にワンピースを堪能しています。

アイパッドじゃなくて紙の本やったら、食ってまいそうやなあ。

「この台詞が」「このキャラクターが」と丁寧に説明してくれるその姿は、
小学校の頃、クラスに一人や二人はいた、鉄道や虫の博士と何ら変わりません。

何ごとにも、とにかくマジメすぎて、自分を苦しめてしまいがちなビッキー。
チャンスで打てなかった試合後は、茫然自失として、
呼びかけても反応すらなくどよーんとしています。
それを見ていると僕は、かつての自分を思い出すのです。

ただ必死で、もがくように野球をやっていた自分。
融通がきかなくて、頑固だった自分。
切り替えの下手だった自分。
己を押さえつけるがあまり、はじけることのできなかった自分。
そこから開放された時、僕の気持ちはどれだけ軽くなったことでしょう。
ビッキーも、こっちの世界に引っ張り込んで、
あれこれ背負っている肩の荷をおろしてやりたい。

マジメじゃない、イコール、不真面目、ではありません。
不真面目に野球をやっている選手なんて、一人もいないのです。
ただ、長丁場の戦いの中では、切り替え上手にならなければいけないし、
ちょっといいかげんなくらいでないと、
乗り越えていけないものがたくさんあるのです。

守備うまい。センスいい。チャンスに強い。
あとは、はじけるだけやぞ、ビッキー。

じじいの遺言、しっかり聞いたってくれ。