2011年12月14日水曜日

少しずつ

めっきり冬らしくなりましたね。皆さんお元気でお過ごしでしょうか?

年内はたぶんメールを打てまい、と思いきや、手術やリハビリの先生、看護師さんたちなど、まわりの方々のご協力のおかげで回復が早く、まずは球場ではなく、とりあえずパソコンの前に復帰いたしました。

リハビリは順調。そして、先日のとある出来事から、そのスピードは加速しつつあります。

先日用事があって、息子・寛(かん)の学校に顔を出した時のこと。クラスの子供たちにつかまってしまい、休み時間に寒空の下、校庭に引っ張り出されました。
 
アリのごとく、わらわら寄ってくる子供たち。背中や頭によじ登り始める子供たち。

「かんのパパ、遊ぼう!」

「かんのパパ、鬼ごっこしよう!」

「サッカーしよう!」

「追いかけてきて!」

小学校2年生とは、リクエストだけやたらに多く、こちらの言うことはまったく聞かない生き物です。

「おい!引っ張るな!」

「アカンアカンそこ叩いたらアカン!」

「肩!肩はやめて!肩だけは許して!」
(このままでは怪我をしてしまう。逃げなければ)

その時です。
「かんのパパ、走って!」

誰かの声に弾かれたように、僕はまだ子供が乗っかったままの状態で、走り出しました。そう、つい、うっかり。実は手術後、肩への負担を考えて、一度もランニングをしたことがなかったのです。
ところが本能的に走り出してしまったものだから、(あ、アカン走ってもーた)と気づいたのは、しばらく経ってからのことでした。

「ここで何かあったらもう終わりや」という気持ちのせいで、手術後は、恐る恐るしか動けなかったのです。でも、走れました。走っていました。気づいたら、腕を振って走っていたのです。

ただ走る、という、今まで何も考えずにやっていたことが、こんなに嬉しいとは思いませんでした。リハビリは、肉体的なダメージばかりではなく、「これからどうなるんだろう」という不安との戦いでもあります。それらをひとつひとつ拭って行くその先に、来年のシーズンがあったらどれほど素晴らしいことでしょう。

僕はまもなく渡米して、じっくりと、しっかりと身体と向き合ってきます。

また、このページに遊びにいらしてください。

次回の報告では、たぶんもっとパワーアップした田口壮をご覧いただけると思います。